『特定支出控除』について、社内の人から利用するといいの?という質問があり調べてみました。
『特定支出控除』を簡単に説明すると、会社員の通勤費や資格取得の費用、スーツ代や飲み代を給与所得等から減らして所得税を減らせるというものです。
結論として、高所得者ほど使える制度。
理由1:所得が上がるほど、控除基準が緩くなる
理由2:所得が低い人はたくさんの特定支出をするのは難しい
例えば年収300万円の人の場合、月4.5万円以上の支出。
年収400万円の人の場合、月5.6万円以上の支出しないと、対象となる控除額が発生しません。
収入金額ごとに、いくら以上から控除対象になるのかグラフと表を作成してみました。
上のグラフの基礎データです。
年収 | 手取り | 控除基準※1 | 割合※2 |
300 | 236 | 54 | 22.9% |
400 | 310 | 67 | 21.6% |
500 | 381 | 77 | 20.2% |
600 | 445 | 87 | 19.6% |
700 | 506 | 95 | 18.8% |
800 | 572 | 100 | 17.5% |
900 | 649 | 105 | 16.2% |
1,000 | 705 | 110 | 15.6% |
1,100 | 769 | 112.5 | 14.6% |
1,200 | 829 | 115 | 13.9% |
1,300 | 882 | 117.5 | 13.3% |
1,400 | 936 | 120 | 12.8% |
1,500 | 995 | 122.5 | 12.3% |
1,600 | 1,053 | 125 | 11.9% |
1,700 | 1,114 | 125 | 11.2% |
1,800 | 1,172 | 125 | 10.7% |
1,900 | 1,231 | 125 | 10.2% |
2,000 | 1,290 | 125 | 9.7% |
※1 控除基準:この金額を超えた支出が所得控除の対象となります。
※2 割合:控除基準の手取りに対する割合。
見ての通り収入金額が増えるほど、控除基準額が緩くなります。
特定支出にかけられるお金は、家賃や生活費等を差し引いた後の余剰部分でいくらかというお金とイコールです。
所得が多い人ほど余剰部分が多く、資格取得やスキル取得の研修など自己投資にまわしているように思えます。
またスーツなどの衣服にもお金を回せるので、控除基準金額まで達するのが容易であるように思えます。
そう考えると年収1,000万円以上ないと使えないんじゃなかろうか?
まとめ
私には使えんです。
※年収に対する手取りの金額は、どこかのサイトを参照させていただいたのですが、わからなくなってしまいました。
すいません。
参考資料
特定支出の対象となる支出
1 | 通勤費 | 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出 |
2 | 転居費 | 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出 |
3 | 研修費 | 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出 |
4 | 資格取得費 | 職務に直接必要な資格を取得するための支出 |
5 | 帰宅旅費 | 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出 |
6 | (勤務必要経費) | 下記3つの支出で、その者の職務の遂行に直接必要なもの(支出の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。) |
① | 図書費 | 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用 |
② | 衣服費 | 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用 |
③ | 交際費 | 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出 |
※あと非課税の通勤手当が支給されている場合は、それは特定支出の対象になりません。
特定支出の対象となる支出
その年中の給与等の収入金額 | 特定支出控除額の適用判定の基準となる金額 | |
1,500万円以下 | その年中の給与所得控除額×1/2 | |
1,500万円超 | 125万円 |
給与所得控除
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 | |
(給与所得の源泉徴収票の支払金額) | ||
1,800,000円以下 | 収入金額×40% | |
650,000円に満たない場合には650,000円 | ||
1,800,000円超 | 3,600,000円以下 | 収入金額×30%+180,000円 |
3,600,000円超 | 6,600,000円以下 | 収入金額×20%+540,000円 |
6,600,000円超 | 10,000,000円以下 | 収入金額×10%+1,200,000円 |
10,000,000円超 | 15,000,000円以下 | 収入金額×5%+1,700,000円 |
15,000,000円超 | 2,450,000円(上限) |