振替伝票入力の見た目はこのようになっています。
振替伝票入力でおすすめしたい機能は2つあります。
1つは「仕訳辞書」、もう1つが「取引状態」です。
特に「仕訳辞書」は、この機能を使わないのであれば、振替伝票入力を使う意味がないくらいの機能です。
目次
仕訳辞書
「仕訳辞書」とは、予め仕訳を辞書登録しておくことで、勘定科目や補助科目などの入力の手間を省くことができる機能です。
発生頻度の高い仕訳を登録しておくことで効率的に仕訳を行うことができます。
「毎月もしくは定期的に計上が発生するもの」とかです。
例えば「振込払いの経費」とかですね。
金額は変動するけども毎月支払が発生するものってあると思うので、それらは仕訳辞書に登録して仕訳を行うといいです。
あとは社会保険料や所得税等の納付関係も仕訳辞書に登録しておくとよいです。
預かったら支払予定の仕訳を登録しておくとよいです。
登録方法は仕訳登録時に行うか、各種設定→仕訳辞書で行うかの2つの方法があります。
今回は仕訳登録時に行う方法で説明します。
①仕訳辞書に登録される範囲
②仕訳辞書として保存にチェックを入れて、辞書名を設定
③登録を実行
※取引状態は辞書登録できません。
取引状態
「取引状態」には「実現済み」と「予定」の2つがあります。
これを利用することで「資金繰り」に活用することができます。
「資金繰り」とは、将来支払いを行う際にお金が不足しないように作成する、お金の入出金スケジュールのことです。
売上は上がるけども実際に現金化されるのは先ということも多いです。
さらに給与や経費の支払いが、売上のお金が入金されるよりも早い場合、借入などを行い支払用のお金を用意しておく必要があります。
そのため、それぞれの支払時にいくらお金が必要なのかを把握するために、お金の入出金スケジュールが把握できる資金繰り表が必要となります。
さて、「取引状態」を使うと過去の現預金の動きではない、将来予定の現預金の動きを表現することができます。
どのように活用するか詳しい説明はまた別で説明しますが、「会計帳簿-推移表」では未実現仕訳を『含める or 含めない』を選択しての集計表を見る事が可能です。
つまり、未実現仕訳を『含めない』集計値は現時点の現預金残高で、未実現仕訳を『含めた』集計値は将来の入出金予定を含めた現預金推移を見ることができます。
また「レポート-キャッシュフローレポート」も現預金推移を把握することができます。
ただ「キャッシュフローレポート」は未実現仕訳を『含める or 含めない』の選択ができないので、注意が必要です。
入力時のポイント
日付は「将来の入出金予定日」・・・将来の資金情報を持たせる
勘定科目は「現金or預金」・・・推移表の「現金及び預金合計」やキャッシュフローレポートに反映
取引状況は「予定」・・・実際の現預金と区別する
重複する仕訳に対する対処法
予定日が過ぎた仕訳は、別の方法で登録した仕訳と重複して登録されている状態になるケースがあります。
「振替伝票入力」で支払予定の仕訳を登録し、「連携サービス入力」で取り込んだ銀行データで実現済みの仕訳も登録した場合などですね。
対処方法は2つ
・片方の仕訳を削除する
・消込仕訳になるように設定する
片方の仕訳を削除する
片方の仕訳を削除する方法もいくつかありますが、2つ紹介しましょう。
重複チェックを使う方法
会計帳簿から仕訳帳を開きます。
左側に「重複チェック」というボタンがあるのでクリックします。
重複していると思われる仕訳が表示されます。
削除したい仕訳にチェックを入れて「一括削除」を実行します。
メッセージボックスが出てきますので「OK」をクリックします。
※検索時に日数誤差や金額誤差を設定してやれば、範囲検索が可能です。
一括削除を使う方法
手動で仕訳から振替伝票入力を選択します。
入力欄の下に検索項目がありますので、今回は地代家賃で重複仕訳が登録されているので、「借方勘定科目」を地代家賃で検索します。
検索された「地代家賃」の仕訳のうち、連携サービスのデータで仕訳したものでない仕訳は、取引日に「未実現」と表示されています。
これを削除したいので、チェックボックスにチェックを入れ、「一括削除」ボタンをクリックします。
消込仕訳になるように設定する
支払のケースで説明します。
まず銀行から取り込んだデータは、次のような仕訳になるように「自動仕訳ルール」に登録します。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
未払金 | ***** | 普通預金 | ***** |
さきほどの支払予定の仕訳はこのように登録しています。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
地代家賃 | 100,000 | 普通預金 | 100,000 |
この貸方勘定科目の「普通預金」を「未払金」に変更します。
会計帳簿の仕訳帳で、「一括編集」機能を使うとまとめて勘定科目を変更することができます。
右上の「一括編集」ボタンをクリックします。
一括編集したい仕訳の左端にあるチェックボックスにチェックを入れてます。
今回は取引日に「未実現」と入っている仕訳を一括編集します。
チェックをいれました。
「未実現」仕訳の「貸方勘定科目」を変更しますので、左側のチェックボックスにチェックを入れます。
修正前は「普通預金」、修正後は「未払金」を選択します。
確認のメッセージが表示されますので、「OK」をクリックします。
貸方勘定科目が「普通預金」から「未払金」に変わりました。
一つ上の仕訳と合わせると、精算された形にあります。
まとめと要望
予定仕訳の貸方勘定科目を最初から「未払金」にしないかというと、途中で述べたように資金繰りを行うためです。
未払金だと推移表の預金やキャッシュフローレポートに反映されないからです。
企業経営に置いて資金繰りは非常に重要です。
私の会社では会計ソフト上で資金繰り表を作成することはできませんが、MFクラウドの機能を使いこなせ資金繰り表の作成も可能です。
要望としては、予定仕訳で貸方勘定科目を「未払金」としても、推移表の預金やキャッシュフローレポートに反映されるようにしてほしいですね。